古いPCにLinuxを入れてみよう

今回は、頼まれごと半分、私の遊び半分で、古いノートPC(東芝Dynabook AX/550LS)の再生に着手しました。
製品としては2005年6月のものなので、結構な年季が入っています。
もちろん元々はWindows XPモデルで、セキュリティ上の問題から使われなくなっていたんですが、「ブラウザくらい使えたら」ということで。

結論から申しますと、セキュリティに問題がないLinux系OSをインストールして、現行のブラウザを使えるようにはなりました。
しかし、最近はインターネットが豪華な重いサイトばかりになってしまっているので、12年前のパソコンだと荷が重いシーンが多発。
パソコンを買うにあたって「インターネットできれば十分」というのは、「なんでもいい」とほぼ同義語ですが、さすがに古すぎるとそうもいかないですね。

 

Dynabook AX/550LSについて

今回のドナーです。見ての通りだいぶヤレてますね。
2005年、つまり12年前の夏、15型の大きなモニターを備えた、実質据え置きで使うタイプのノートPCとして世に出た製品でした。
柄は大きいんですが、特に高性能モデルではありません。子供から高齢者まで広くパソコンに興味をもつような時代だったので、安くて大きな画面が見やすいもの、という需要に沿ったものでしょう。今の普及価格帯のスマホみたいなもんです。

15型の大きな液晶パネルは、解像度は1024×768というのが時代を感じます。
当時はワイド液晶はまだ流行っていなかったし、高解像度の液晶も高級モデルにしか使われていませんでしたね。

CPUは、Celeron M 360J。1.4GHzで、シングルコア・シングルスレッド。
当時はデスクトップPCではPentium 4が高熱を振り撒いていた時期なので、比べればノートのPentium M / Celeron Mは低消費電力でそこそこの性能だと好評でした。

メモリーは、標準が256MB。これはさすがに当時としてもギリギリ。
今回手元に来たものは1GB増設されて、総量は1280MBになっていました。

ハードディスクは、元々60GBのはずですが、すでに交換されて、HGST Travelstar 5K160の120GBが入っていました。製造年月は2007年12月。
10年もののハードディスクなんて普通壊れているものですが、個体差、使用頻度、そもそもHGST製が頑丈な傾向がある、といった理由で、まだ使えています。

それからDVDスーパーマルチドライブがついていました。

 

LinuxとPentium M

さて、Windows XPを別のものに変えるなら、Linux系OSならコストがかからない。
しかし、今回のPentium M / Celeron M搭載PCでは、ちょっとややこしい。
「PAE (物理アドレス拡張)」という機能の有無で、使えないOSが多くなります。

今回のCeleron M 360Jの場合は、PAEは使えます。
Pentium M / Celeron Mは一度モデルチェンジされていて、その後期型の一部はPAEに対応します。NX Bitという機能に対応するやつはOKです。

またPentium M / Celeron Mは32bit CPUなので、64bit版のOSは使えませんね。

そういうわけで、定番Linux系OSであるUbuntuの14.04 LTS 32bit版と、そのUbuntu 14.04をベースに大きく軽量化を施したlinuxBean 14.04、このふたつを試してみました。

 

linuxBeanのインストールに少し手間取る

まずはlinuxBeanの方から。

Linux系OSのインストールは、インターネットで配布しているCD/DVDイメージファイルをダウンロードして、それをCD-RなりDVD-Rなりに書き込んでインストールディスクを作る、というのが一応スタンダードです。
が、今更円盤焼くのもめんどくさいので、最近はUSBメモリーを使うのがポピュラーです。UnetbootinなどのツールでCD/DVDイメージをUSBメモリーに書き込んで、そこから起動してインストールできます。

それでやってみたんですが、どうも上手く起動しない。
USBデバイスから優先して起動する設定にはなっているし、ブートセレクターで明示的に選んでもダメ。
どうやら、USBフロッピーディスクドライブとか、USB CD-ROMドライブからの起動はできても、USBメモリーだとダメなタイプっぽい。古いものだとこういう機種がありました。

しょうがないので、正道にCD-Rを作りました。
これなら行けるだろうと思いきや、これもダメ。あれ? と思ったんですが、どうもDVDドライブも古くて調子が悪いみたい。プレスされたDVDは読めますが、CD-RやDVD-Rがダメ。
前の持ち主が喫煙者で、外装などもそれっぽい汚れがついていたので、ちょっと状態悪そうです。

紆余曲折の末、USBの外付けブルーレイドライブを繋いで、そこからなら起動してきました。

 

が、起動してすぐにまた止まる。

起動オプションをあれこれ触ると、どうやらグラフィック関係で引っかかっていたよう。起動オプションに nomodeset を追加すると大丈夫でした。
このDynabookは、当時でも少々マイナーな、RADEON 9000 IGPというグラフィックを使ってるもので、ドライバーの対応が行き届いてないかも。

 

linuxBeanのセットアップ

さて、CD-Rから起動したlinuxBeanで、インストーラーを走らせて内蔵HDDにセットアップします。
Linuxのインストール、昔はかなり大変だったものですが、最近のは簡単です。
元々入っていたWindows XPは、先にバックアップを取ってあったので、遠慮なく消去。

インストールは、聞かれたことに答えて、待っていれば終わります。
インストールが終われば、元々扱いやすいUbuntuベースだけあって、いきなりそれなりに使い始められる状態です。
しかし軽量版なので、かなりギリギリまで機能は削られています。なので、初期状態では無線LANが使えません。

「linuxBean 設定ウィザード」で、いくつか必要なものをインストール。
無線LANドライバー、モバイルセット、強力な動画プレイヤー、Chromiumブラウザを入れました。

無線LANドライバーが入ったら、ポピュラーなものなら、内蔵無線LANでも、USB外付け子機でも使えるようになります。
今回は、シスコシステムズのCardbus用無線LANカード AIR-CB21AG-J-K9なんてものを使ってみましたが、何も問題なく挿したら動きました。
他に、USBのBuffalo WLI-UC-G301Nも動作しました。あんまり最新のものより、ちょい古めのもののほうがいいかも。

それから、必要なさそうなアプリを消していきます。
AndroidにはPlayストアがあって、一般的なアプリを簡単に選んでインストールすることができますが、Linuxもそれに似たような仕組みで、パッケージマネージャというものがあります。
Linuxの場合、追加するのも削除するのもパッケージマネージャです。linuxBeanでは、Synapticsというのが入っています。メニューの「設定」→「Synaptics パッケージマネージャ」で起動できます。

linuxBeanは元々軽量化されたOSなので、さほど消すべきものは多くない……といいたいところですが、なぜかゲーム機のエミュレーターとか、2chブラウザとかが入っているので、どんどん消していきましょう。
逆に、ちょっとしたゲームがほしいなら、Windowsでいうソリティア(LinuxではAisleRiot)やマインスイーパなどもあります。

それらが一通り終われば、OSとアプリのアップデートを掛けます。
「設定」→「アップデートマネージャー」を実行して、あとは画面の指示通りに。

 

Ubuntu 14.04のセットアップ

Ubuntu 14.04もインストールしてみました。

とはいえ、linuxBeanと特に手順は変わりませんね。OSイメージをDVD-Rに焼いたものを、外付けブルーレイドライブから起動。あとはインストーラーの指示に従うだけ。
linuxBeanで発生した、nomodesetオプションを付けないと起動しない件は、Ubuntu 14.04では発生しませんでした。

しかし、インストールが終わってからの動作が非常に遅い。
これは、Ubuntuで使われているUnityというグラフィカルシェルがまずいっぽいので、これをLXDE(linuxBeanで使っているやつ)に変更します。

端末(Windowsでいうコマンドプロンプト)を起動して、 sudo apt install lxde と実行します。
それから一度Ubuntuからログアウトすると、再ログイン画面に来ます。※事前に自動ログインは外しておきます。
パスワード入力欄右上にあるボタンをクリックすると、選択肢でLXDEを選べるようになっています。そちらを選んでパスワードを入力すると、LXDEで起動してきます。

LXDEだと、軽快に動くようになりました。

あとはまあ、linuxBeanとUbuntuは、最初から入ってるアプリが異なる程度の差です。日本語入力システムとかブラウザとかが異なり、またUbuntuだとLibreOfficeが最初から入っています。
パッケージマネージャは、Ubuntuソフトウェアセンターというものです。ここから、アプリを好みで入れたり消したりして、アップデートを掛けて、と、やることは同じです。

 

トラブル

インストールしてあれこれ触っていて気付いたのですが、かなりサウンドの音割れが酷い。
UbuntuでもlinuxBeanでも同じように、低音が鳴るとバリバリ割れます。
ボリュームが上がりすぎているのかと思ってもそうでもなく、私のスキルだとどうも解決の目が見えませんでした。
RADEON 9000 IGPというマイナーめのチップセットを使っているPCで、音声関係もその管轄下なので、あまり上手くドライバが駆動できてないかな。あるいはスピーカー自体が傷んでるのかも。

 

実用性は?

さて、これでセキュリティ上の大問題は起こさないはずの環境で、ネットサーフィンくらいはできるOSとソフトウェアが入りました。

しかしやっぱり、動作は遅い。
OS自体は、そこそこ早く起動してくるし、Windows XP SP3とかWindows 7より軽快に使えます。
使用メモリー量を見ても、Chromiumブラウザーを起動した状態でもせいぜい400MB程度しか使っていません。

けれど、ブラウザが辛い。厳密には、ブラウザがというより、最近のネットにあるコンテンツが重くて辛い。
例えばTwitterでも、入力欄の動作が遅い遅い。文字数カウントとか、入力しかけたアカウント名へのサジェストとか、そういう機能でもたつくようです。

もちろん、JavaScriptをオフにするとか対応のしようはあります。けれど、普通の人が「インターネットできればいい」という水準には届いてないでしょうね。
ま、12年前のパソコンがそんな快適になるわけないんですが。

 

修理とパワーアップ

費用対効果が出ないのでお勧めはしないんですが、仮にこのPCのまずいところを修理しつつ、少しでもパワーアップするとしたら。

先述の通り、WiFiがないので、CardBus型のシスコシステムズAIR-CB21AG-J-K9を増設しました。(ジャンク屋で2枚100円で買いました)
USBが流行って、CardBusとかExpressCardのスロットはすっかり見かけなくなっちゃったなあ。昔はないPCの方が珍しかったくらいですが。

 

現状は、DVDドライブが読めたり読めなかったりしています。
もし交換するとすれば、現在売っているものとは接続規格が違い、旧世代のATAPIインターフェースのものが必要です。

Amazonで検索してみたら、Panasonic UJ-850が現時点で1200円で買えるようです。RAMまで使えるスーパーマルチドライブ。これは思ったより安いかな。

 

一方、ハードディスクは難しい。
これも接続規格が古くて、IDEのものが必要です。今のSATAだと繋がらない。

買うとすれば、MARSHALというメーカーが、古いハードディスクのリファービッシュ品を安く売っていたりはします。
元々古い製品のリファービッシュ品なんて大丈夫かな、と思いますが、作ってないものは仕方がない。
仮に今新品在庫があったところで、果たして何年前に生産されてどう保管されていたものなのかわからないんで、新品だから信頼できるともいえませんし。

新品でちゃんと保証がついたものなら、IDEのSSDが買えます。Transcendなどが出してますね。
ただ、めまいがするほど高くて、32GBで6000円以上、64GBで1万円以上します。

あとはまあ、コンパクトフラッシュをIDEに変換する基板を使って、16GBとか32GBのコンパクトフラッシュをストレージにする手もあります。ただ、さほど安くもなりませんね。
また、私の手元にあるやつで実験してみると、Ubuntuの起動時にエラーが出てダメでした。

どうにもハードディスクがネックになっちゃうので、これくらい古いPCだと修理の費用対効果がすごく悪化しちゃいますね……

 

メモリーは1280MBだと、Linux系OSではある程度余裕が出ますが、Windows 7では足りない。

Dynabook AX/550LSの場合、標準256MB + 増設1GBが上限ということになっています。が、実は2GBまで増設できます。

ただ、標準の256MBが刺さっているメモリースロットが、ほとんど完全分解しないとアクセスできない奥の方にあります。(見るだけならキーボード外せば見えます)
私は試しに分解してみたんですけど、あまり分解しやすいタイプではないですね。ツメで引っ掛けている部分がかなり固く作られていて、外すのが怖い。

ともあれ、内部の256MBと増設の1GBを入れ替えておきました。
もしメモリーを増やすなら、次はネジ一本外せば交換できる裏面の増設スロットの方を触れば済みます。

 

CPUの交換は、メモリーより簡単。
キーボードだけ外してしまえばすぐ下にあり、CPUクーラーやファンも外せます。
目の細かいヒートシンクにファンで風を送っているので、いくらか目詰まりが見られました。ファン自体もホコリがまとわりついていたので掃除しておくと、多少ファンノイズが減ったかな。

CPUは、今が1.4GHzのCeleron 360J。これはSocket 479というソケットに入ってるので、同じものなら交換できます。
同世代のPentium Mなら、もっとクロックの高いものがあります。

ただ、Pentium Mには、EIST(負荷が少ない時は動作クロックを下げ、消費電力を減らす機能)がありますが、Celeron Mにはそれが省略されています。
その機能にちゃんと対応していない場合、動くことは動きますが、常に最低クロック(600MHz)でしか動かなくなったりします。
このDynabook AX/550LSがどうかは、やってみないとわかりませんね。
同じ機種にPentium M搭載のバリエーションがあれば可能性が高いんですが、Dynabook AX/550LSの場合はCeleronモデルだけですね。

また、CeleronはFSB 400MHzですが、Pentium Mには533MHzのものがあります。
チップセットのRADEON 9000 IGPは533MHzに対応していそうですが、実際どうなるかは不明です。
これも対応していないと、本来のクロックの3/4で動くことになるでしょう。

Celeron M 380Jなら多分使えますけど、1.4GHzの360Jが1.6GHzの380Jになってもな、というところ。あとどうやって入手できるか。

 

最後にバッテリーですが、PA3451U-1BRSという品番で検索してみると、Amazonで互換バッテリーが見つかりますね。3~4000円くらいか。

 

まとめ

わかっていたことですが、やっぱりこれだけ古いともう「再生してみる」ということ自体を目的にした遊びにしかなりませんね。
せめて2GHz以上のCore 2 Duoあたりが載ったPCだったら、まだしも「インターネットくらい」にはなるんですけれど。

とりあえず、コストかけずに私が遊べたのでよしとしましょう。

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